今年のお米は不作ではあったが、30㌔の玄米の袋で40袋近く採れた。
玄米専用の冷蔵庫に入りきらない分と、去年のお米。
それと「クダケ」というB級品が多かった。 いつもは2袋ぐらいの所、4袋も出た! 機械は粒の大きさで選別するので、日照時間の少ない今年の小粒米を多くクダケに選り分けたよう。
しかし小粒とはいえ、クダケの中にもちゃんと熟れてるお米もたくさんある。 そのクダケを更に「パッカー」という袋詰めする機械に通して、「中米」を選別した。
何と中米が3袋も出来た。 こういう中米は農協の婦人部などで大量に作って販売する味噌の原料にするそうな。 そう、味噌の原料と言えば、糀!
これが中米。 これだけ見ると、普通の玄米に見える。
こちらがA級の玄米。 やはり格段に美しい。
糀作りのために、中米を精米機にかける。
ちゃんと白米になる。 これは敢えて7分搗きぐらいにしてある。
井戸水で洗って。
一晩浸しておく。
均一に蒸しあげるには、ザルに上げてよく水分を切る事がポイント。
木製のセイロに入れる。 ココ大事なポイント!
簡易カマドで蒸す。 羽釜の下に敷いてあるのは、0.35㎜の平トタンの廃材でつくった火除け板。 こうすると、薪をガンガン燃やしても木製のセイロが傷まない。
よくアルミ製の蒸し器をみかけるが、糀作りにはNG。 なぜなら完全に密封される事で、蒸し上がりがベチョッとする。 蒸し布を敷く事で多少は緩和されるが、この木製のセイロには敵わない。 これなら適度にスキマから蒸気が抜けながら蒸すので、いい具合にお米がほぐれる。
一般的に、食べておいしいのはデンプン質の多い、 コシヒカリ系のお米でモチモチする。 反対に酒造りに向いてる酒米はパサッとした質感で、 業界用語では「よくサバケる米」などと言う。
米糀の歴史は、酒造りの歴史でもある。 お米の質はもとより、水の質や酵母の種類など、各蔵元に深いノウハウがある。 洗米時間をストップウォッチで計ったり、頭オカシイんちゃう?というレベル。 類稀なこの発酵食の文化は、繊細で丁寧な拘りの強い日本人独自のもの。
酒の話はおいといて、糀作りに戻ろう、、、。
上手く蒸しあがった。
モロブタに入れて。
広げて冷ます。
もやし(糀の種菌)は菱六か、樋口もやしがいい。 菱六の方がネット通販で手に入りやすい。 樋口はオンラインショップがなく、電話して送ってもらう。
必要量はお米1㌔につき1gと言われるが、心配なので倍の量を入れてる。
蒸し米が40℃ぐらいになった所で、もやしをパラパラッと振りかける。
モロブタの底に擦り付けるようにして、ゴシゴシとなじませる。
自作の木のモロブタに入れて。
ココで発酵させる。 これは廃冷蔵庫を改造した糀発酵器。
サーモスタットを文字通り埋め込んである。 これで、初期の加温をする。 一番最初は中国製のものを使ったが、すぐに壊れて日本製オムロンに換えた。
34℃まで上がるとヒーターが切れて、32℃まで下がるとまた入る。 これを繰り返してくれる。
全部の蒸し米を入れたのは夕方だった。
夜もサーモが管理してくれるので安心して寝られる。
翌日の夕方には温度が上がってくるので、時々フタを開けて冷ます。 糀の品温が39℃というのが理想。
その日の夜はうっすらと扉を開けて寝る。 品温の下がりすぎは禁物なので、ほんとに少しだけ開けてカマシ物をしておく。 3日目の朝、50℃ぐらいになっていたが、慌てずに冷まして39℃に調整する。
3日目の夕方完成! 大体48~50時間で出来る。
裏返すとモコモコに白い胞子がビッシリと!!
この糀で更にお米を醸し放題の、呑み放題!!!
お米の国に生まれてよかった~!
そして、お米を作ってよかったと思えるのがこれからの季節。 ジャンジャン利用するぞーーー!!!