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古民家に縁側を作る簡単な方法

先日雨樋の修理をした、丸亀市内のゲストハウス「ふらっと」。 他にも縁側作りと自転車置き場作りがあった。

樋の修理をした築70年になる台所部分と違って、母屋は築40年と割と新しい。 入母屋屋根で、軒の高さも高い! いわゆる古民家というよりは、普通にいい家。

この巨大な沓石の上に縁側を作る。 まず「犬走り」の上にモルタルを敷き、コンクリ製のサイコロを置いて水平を出す。

犬走りとは家の周囲のコンクリートの細い縁取りの事。 犬走りは家を雨から守る意味もあるので、外に向かって緩く傾斜させてある。

サイコロの上に束を立てる。

束の上に大引きを乗せる。 束も大引きも90㎜×90㎜の杉角材。

沓石の上は短い束にして、大引きの水平を出す。

束はL型の金物でサイコロに固定する。

ハンマードリルがあれば、サクッとコンクリや石に穴を開けられる。

ハンマードリル用のSDS4.5㎜のキリとコンクリビス。 ノンプラビスとも言って、プラグと呼ばれるアンカーがなくダイレクトにビスが打てる。 少ない穴あけ箇所で重量物を持たせる場合はプラグの方が圧倒的に強い。

5㎜のコンクリビスの下穴は4.5㎜。 これがブロックやALCというコンクリートよりは柔らかい下地になると、4.3㎜の下穴にする。

足場板を縁側の天板にする。 これは厚さが35㎜もあり、今回の縁側やウッドデッキ作りに重宝する。

グラインダーに多羽根ディスクをつけて磨く。 まずは40番でサーッと磨き、更に80番で仕上げると美しい。

ビフォー、アフター。

磨き終わったー!

下穴を開けてビスで固定する。 縁側はちょくちょく雨に当たるので、ステンレスのビスを使う。

どんどん留めてゆく。

完成!!

小口は手カンナで面取りした。 ビスの頭は木の表面とツラにしておく。 深く打ち込むと、毎回そこに水が溜まって腐る原因になる。

巨大過ぎると思えた沓石が、縁側のお陰で丁度よくなった。

この縁側の工事はほとんど土歩一人でやった。 まだ野遊程ではないが、彼も十分色々と出来るようになりつつある。

兄弟でも性格や好みの違いは大きくて、面白い。 野遊はガンガン進めるイケイケタイプ。 土歩はコツコツ派、慎重でトラブルにも冷静に対応する。 お互いを補い合う、いいコンビかも?

工事の後、施主のフミくん自ら塗装して更にいい感じに! これはキシラデコールのスプルースという色。

塗料選びは悩ましくて、場所や好みの仕上がりによって様々。 今回の縁側は全く風のない雨の時には濡れないが、ちょっとでも風が出ると吹き込む場所。 なのでちょくちょく雨に当たる。

ペンキ、ニス、オイルステイン、防腐剤と選択肢がある。 塗料は塗膜を作るものと浸透するものに分かれる。 浸透するものは木目が活き、上塗りが容易で素人でも塗りやすい。 塗膜系は下地処理や塗り方を誤ると剥がれや膨れが起きる。

ペンキは着色が目的で、塗料で塗膜を作るが、木目が失われる。 ニスは艶出しが目的で、やはり塗膜を作る、主に室内用。 オイルステインは木に染み込み、木目が活きるが耐久性が弱い。 防腐剤は昔のクレオソートなどの強烈な匂いと毒性のものから、それらを配慮したキシラデコールなど。

と、色々あるので、目的に合わせて選びたい。 今回の縁側にキシラデコールという選択はバッチリ!

しかしキシラデコールは安くはないので、 面積の広いうちのコンテナハウスの木の壁面などはクレオトップという安いものを塗ってる。 ちなみに耐久性はキシラデコールで3~5年。 クレオトップは2年。 当たり前だが、再塗装のスパンが短い程耐久性は上がる。

塗装はDIYで出来る最もとっつきやすい部分。 特に今回の縁側やウッドデッキは数年ごとに塗れば、耐久性は段違い。

これまた樋の時と同じく、一度直したら後は放ったらかしというのではダメ。 塗料の耐久年数を大きく過ぎると、再塗装するにも下地調整として木を磨いたりする手間が発生する。

ちゃんとその時期を見極め、ぬかりなく早目の対応をせよ!!!

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