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自給自足の豚飼い&天ぷらカーがキーワードの「桜の山農場」に行ってきた


ここどーこだ?


子どもたちが薪調理をガンガンやってる!?


広島県三原市にある、坂本耕太郎くん一家の「桜の山農場」。


彼は有機農家で、中心を養豚に置いている。 この豚舎は耕太郎くんのセルフビルド。

家族は奥さんと、11歳から0歳まで6人の子ども達。 三重県の愛農高校の出身で、今も同高の研修生を受け入れてる。 何と親父さんも自然養鶏中心の有機農家。 現在の広大な山はおじいちゃんが買ったもので、彼らの住む家は親父さんのセルフビルドという。

しかも養豚のスタイルが秀逸。 普通の養豚の場合、エサ代が経費の大半だという。 ここでは、色んな所からの食品廃棄で出るものを回収してエサ代をかけずにやってる。 しかも、鰹節工場や昆布の工場、醤油の絞りカスなどと、クオリティーの高いものばかり。 で、それらを天ぷらカーの1tトラックで回収に回るというスタイル。


乗用車はハイエースグランドキャビンで、8人乗った上に後ろの荷室がこんなにある。 むろんこれも天ぷらカー。


室内に100ℓの天ぷら油用のタンクが設置されてる。


今回はこのハイエースのタイミングベルトとウォーターポンプの交換というワークショップ。 オーナーは広島県内の慶くん。 対象者は、1kzという型式のエンジンの車に乗る人という事で声を掛けて頂いた。

うちのグランドハイエースのエンジンも1kz。 現在158,000㎞なので、200,000㎞の際には是非とも今回の経験を活かしてセルフでやりたい。 ディーゼル車は300,000㎞以上走るので、メンテナンスは抜かりなく行う。

1kzとは平成10年前後の ハイエース、 グランドハイエース、 グランビア、 ハイラックス、 ハイラックスサーフ、 ランドクルーザー、 などに用いられた3.0ℓのトヨタのディーゼルターボエンジン。

未だに愛好者が多く、堅牢でパワフル。 天ぷらカーにするのも最高のエンジン。

前に乗ってたマツダ、ボンゴフレンディーの2.5ℓディーゼルターボもよく走る天ぷらカーだったが、 現在のグランドハイエースは更によく走る。 かつ、天ぷらカーにしても全くトラブルもなく1万㌔近く走ってる。


これは同じく広島県内から、チャン山くんのハイエース。 この型は3Lというエンジンで、耕太郎くんの前の天ぷらカーと同じ。 奥がうちの天ぷらカー、グランドハイエース。


今回は僕、耕太郎くん、慶くん、チャン山くんという天ぷらカー乗りと、講師で整備士のミブさんというメンバー。


これがタイミングベルト。


ウォーターポンプ。


テンショナーとオートテンショナー。

これらの部品代だけでは、15,000円未満。 しかし、プロに頼むと工賃が高いので、7〜8万円はするもの。


まずはクーラント(冷却液)のドレンボルトを緩めて、排出。 このクーラント交換は、2年に一度ぐらいが理想だと。 特にクーラントを天ぷら油を温める「熱交換器」として利用する僕らにとっては超重要。


これが慶くんのハイエースのエンジンルーム。


噂のタイミングベルトはカバーの中。 1kzの場合、タイミングベルトの交換だけなら容易に出来るが、 今回はウォーターポンプも換えるので、下のファンベルトやファンそのものも外す必要がある。 基本的に、タイミングベルトとウォーターポンプの交換は同時にするもの。


運転席の座席を外し。


サイドブレーキのワイヤーを外す。 これが結構大変だった。


カバーを外して。


ジャン。


まずはファンベルトを外す。 エンジンからオルタネーター(発電機)やエアコンのコンプレッサーに連動して動かすためのベルト。


このファンの根元のボルトにアプローチするので、ロングのメガネレンチが必須。


外れたー。


写真では見えないが、オルタネーターにアプローチしてる所。 オルタネーター本体を止めてあるボルトを緩めて、動くようにするとファンベルトが外れる。


運転席側と助手席側から狭いエンジンルームを覗き込んで、 「おおー、このボルトかー!」 「めっちゃ、堅いやん!」 「うおー、マジで~!」 と、ワイワイ言いながらの作業。


ファンが外れた。


いよいよタイミングベルトにアプローチする。


この幅広のがタイミングベルト。


赤がウォーターポンプ、青がオートテンショナー、黄色がオートテンショナーにテンションをかけるためのテンショナー。


タイミングベルトがかかるギアには刻印があり、ベルトを換える時の目安になってる。 このギアが一山でもズレたらエンジンの調子がおかしくなるそうな。


整備士のミブさんが「念には念を入れて!」と白マーカーで印を増やす。


オートテンショナーを外すための10㎜六角を緩める。


タイミングベルト外れたーー!!


ウォーターポンプも外れた。


クーラントはしっかりと拭き取り、接地面は耐水ペーパーで磨いておく。


新しいウォーターポンプ。 この水車がクーラントを循環させてくれる。 ミブさんによると、劣化したクーラントを放置しておくと、この羽が錆びてなくなり、 冷却液が循環しなくなり、オーバーヒートという現象も起こるんだとか。


ウォーターポンプのガスケット。


このボルトを取り付けるのにはミソがある。 頭のないボルトなので、先にダブルナットを仕込んでおいてしっかりと回す事で締められる。


ウォーターポンプに液体ガスケットを塗り。


新品のガスケットを入れる。


更に液体ガスケットを塗るという念の入れよう。 万が一取り付け後に水漏れを起こすと、またぜーんぶバラさないといけないので、プロにとっては常識だそう。


ウォーターポンプとテンショナーを取り付けた。 テンショナーのピンは手榴弾のようで、一度抜くと元に戻らないので注意。


ここでランチタイム。 うちとチャン山くんのクラフトビールで乾杯! 桜の山農場の自給カレーが最高に美味しかった~。

コアなセルフメンテのスキルを学び、それぞれのこだわりビールに素材から全て手作りのカレー。 ここは特に肉の自給という、中々出来ない事をやってるのでほんとに凄い!! 超贅沢! 超最高!!

今回のタイミングベルトやウォーターポンプ以外の天ぷらカーネタの情報交換満載。 ビールの発酵やホップの話。 田んぼや畑、セルフビルドの話。

こういう仲間が全国に居る。 これがニッチな自給自足業界のユルイ繋がり。


オートテンショナーを取り付けて。


いよいよタイミングベルトを入れる時が来た。 新旧のベルトを見比べても、そこまで大きな劣化は見られない。 ところが、このベルトによって、クランクの回転と噴射ポンプのタイミングとカムの回転が全て連動している。 万が一切れたりすると、エンジンはオシャカになる。 それどころか走行中にそんな事が起こると大事故にも繋がる。 なので、10万㌔に一度と定期的に交換する事になってる。


タイミングベルト入ったーー! ベルトには白いラインが3本入っており、例の刻印に合わせるようになってる。


バッチリ!


テンショナーのピンを抜くと、ベルトが張った。


カバーをつけて。


ちょいピントが甘いが、例のダブルナットでウォーターポンプをしっかりと締め付ける。


ファンの取り付け。


ファンベルトの取り付け。 これは二人がかりじゃないとちょっと、、、という手強さだった。

写真はないが、オルタネーターのボルトを回してファンベルトをしっかりと張る。


ドレンを締めて、クーラントを入れる。 約7ℓ。

これでいよいよエンジンスタート!! クーラントのエア抜きのためにしばらくアイドリングさせておく。

車いじりが好きな人以外には意味不明の記事になったが、 この記事が200,000㎞になって、セルフでやる時の忘備録。

耕太郎くんのグランドキャビンも現在150,000㎞台なので、「200,000㎞になったら一緒にやりたいねー。」と話した。 仮に一人でやるにしても、分からない部分を電話で聞いたり、フェイスタイムで見てもらったりも出来る。 そういう意味でも今回大勢での実戦経験は貴重なものになった。

まあ、何しろ自分で自分の家や車をいじれるって最高!

自分の家を建て始めるまでは、建築系のバイトすらした事のない僕だった。 車のメンテナンスに至っては、天ぷらカーに乗り始めるまでは全てプロ任せだった。

エンジンオイルの交換ぐらいは自分でやってたが、ここまでやるようになるとは思いもしなかった。 2010年に天ぷらカーに乗り始め、 天ぷら系統の燃料の詰まりの掃除、 燃料タンクを下ろして中の洗浄、 エンジンが切れなくなり、相当奥の方にあった燃料をカットする弁の交換、 などかなり困難なメンテも自分でやってきた。

それでもこうしてコツコツやってるうちに仲間に巡り会い、 情報交換しながら何とか出来るようになりつつある。 もちろん本当に自分で出来ない事はプロに頼めばいい。

自分でやるのは安くつくというだけじゃあない。 医食住、エネルギーの自給だけじゃなく、車やコンピューターのセルフメンテは深い。 自分の生活に必要なものが責任を持って、自分で何とか出来るのが快適で楽しい。 スイッチ一つで風呂が沸き、何かが故障したら全部業者に金払ってやってもらうのって簡単。 自分では何もしないで他人任せの生活って、生きるリアリティーが乏しいのよ。

何かある前に、自分でメンテナンスする。 何かあっても自分で直す。

これは車や家電にとどまらないのだ。

自分の事を自分で何とかする人生。

これが自由な生き方だぞ!!!

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