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土壁の材料も自分で配合するとタダ同然

長いこと中断してた二階の工房の下の部屋化。 やりだしたのが去年の夏。 子どもたちも積極的に手伝ってくれた。

去年の12月に鹿児島から来てくれた高橋素晴くんと施工した、タタミの壁の下地「リブラス」。 http://kadoya.ashita-sanuki.jp/e813711.html

この下地の上に土壁を塗る。 内装なので、漆喰仕上げにしたい。

実は以前知り合いに頼まれて古民家の壁に漆喰を塗った事がある。 http://kadoya.ashita-sanuki.jp/e695084.html

その時は「城壁」という漆喰の製品を買った。 漆喰の中身は

消石灰 スサ ツノマタ(海草)

消石灰は運動会の時のライン引きに使う白いアレ。 スサとは麻などの繊維を超細かくしたもの。 ツノマタは炊いてドロドロにして糊として使う。

今回は漆喰そのものを自作しようと去年から考えて準備してる。

まず、下地の「中塗り」。 これも左官材料として「おろし土」という製品があるけど、自分の所の土でいきたい。 その上に漆喰を塗って仕上げる。 実際、漆喰の厚みは2mmとか。 製品を買うとこういう正式なやり方にのっとってやらないと無駄に材料を浪費してしまう。

そこで、今回は正式なそういうやり方をしない事にした。 要するに超薄く仕上げるために細かなスサや糊が必要になる。 しかし、土壁そのものに石灰を混ぜてしまっても固まるんじゃないか?


これは陶芸の器に使う粘土。 陶芸の窯、ピザ窯、五右衛門風呂の焚き口、ステンレスカマドの中、あらゆる火を焚く所にふんだんに使ってる。


これだけ草が生えると、根っこなどを除去しないといけないので、一度乾燥させる必要がある。


こんな粘土。 砂などの混入が少ない理想的な土。


畳屋から出る廃材のゴザの上に広げて、スコップで小さくする。


先日電気工事をしたパイプハウス倉庫なら雨に当たらずに乾燥させる事が出来る。


乾燥が進むと更に小さくする。


完全に乾き次第、コンパネの上に置いて木槌で粉砕する。 理想的にはコンクリート土間の上でやると超能率がいい。 残念ながら廃材天国内にはコンクリート土間はない。


それならこのふんだんに在る、廃材の角材を敷くと少しはマシになる筈。


しっかりした奴を選んでぶつ切りにしてコンパネの下に敷く。


これでかなり能率よく砕けるようになった。


ある程度たまったら、フルイにかける。


粘土の土はコレ。 これは去年の11月にやった解体現場から出た壁土。 鉄筋&スレートの倉庫でも、和室の壁面にはちゃんとした土壁が塗られてた。


これはほとんどが砂で乾燥させたり砕いたりする必要がなく、いきなりフルイにかけられる。


こんな感じでほとんどが砂。 スサも混じってていい感じ。

と、いう具合に下準備からかなりな手間を要する。 左官仕事は深い。 元々の日本建築、伝統工法に欠かせないのが土壁であり、左官仕事。 カリスマ左官と呼ばれる挟土秀平、久住章という職人を超えてアーティストという域の職人もいる。 小林澄夫の「左官教室」も読んだけど、相当面白い。

土も砂も建材屋(左官材料の店)に行けばいくらでも売ってる。 漆喰の製品が高いと言うたって、一袋3~4000円ぐらいのもの。

そう。 手間暇かけるぐらいなら買った方が早いという次元で考えないのが廃材セルフビルドのコンセプト。 自分が閃くアイデア、「アレ使えるんちゃう!」という瞬間。 そしてまたやってるうちに、「コレもありやな!!」という発展。 その連続がこの中毒から醒めさせてくれない。

いくら手間暇かかってもいいというバックボーンは既に確立してるし。 否! 一軒目の廃材ハウスの建設当時や生活を始めた頃は、確立どころか不安要素だらけ。 それでも、途方もない日数をかけで7mの穴窯を作ったりした。

やる前は、「そんな手間な事出来んわー。」というのが実践の乏しい現代人の口癖。 実際にやってみると、「以外とこんな日数で出来るんや。」と驚くケース多数。

何より楽しいのは、強制されずに自分から「やらせてーーー!」と寄ってくる子どもたちが証明してるぞ!!!

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