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古民家の壁を壊して通路に改修する工程

天草に行く前になるが、古民家のリフォームを手掛けた。


萱葺きにトタンの立派な古民家。 本体は雨漏りもしてなくて、風呂とトイレの屋根と一部の床を以前に大工さんに直してもらったそうな。

ここは先日紹介した、「こどもえん あさの実」のトウヨウくんが、借りてる。 で、これからゲストハウスとして活用したいとか。


トタンは腐ってないし、漆喰も建材、サッシはアルミになってる。 すぐにでも住めるような状態。


これは玄関。 左の引き戸の向こうは田の字の座敷がある。

右にも個室があり、その右の部屋から座敷の部屋を通らずにトイレに行けるようにして欲しいという依頼。


これは座敷の縁側の廊下。 この突き当たりの押入れを解体して、壁を貫通させると、玄関に出られるようになる。


押入れには、まだキレイな布団が入ってた。


布団を出して、棚を解体して、壁をドライバーで貫通させる。


玄関の方の壁に出た。


その印に沿って、壁を少しづつ壊してゆく。


この段階になると、ツルハシでガンガン壊す。


竹小舞も取り払い、壁貫通。


ここからが、廃材建築家の腕の見せ所。 持参した廃材を電機カンナで削って、太さを調整する。


グレーの廃材が新品同様に蘇る。 電気カンナで削るのは美しくさせるだけじゃなく、ミリ単位で削り、微調整させるという目的もある。


右端の既存の上がり框(かまち)の段の高さにジャストで合わせるために、電気カンナで何度も削って合わせた。 それと、微妙にタイルは水平じゃなく、上の歩く部分を水平にさせるために、ほんの少し斜めにしてある。 リフォームの時には、こういう微調整が大事。


壁を落とした部分にカッチリとした輪郭をつける。


歩く部分の床材を張る。 サネ加工のしてあるフロア材の最後はこうして山にして、当て板をして上から叩いて入れる。 これは以前に大工さんに教わった。


一段踏み台として、ごっつい廃材を加工して台を作った。


掃除して完成。 これで、玄関右の個室から、座敷を通らずにトイレに行けるようになった。

ギリギリ一日で完成まで持っていったが、キツかった、、、。 解体して、ザッと適当に機能だけを満たすだけじゃなく、こういう既存のピッタリとした家に合うようにするには、少々の努力が必要。 まあ、一日の突貫工事にしては上出来。

自分の家ではここまでしないが、頼まれた仕事の場合には、今までの経験とスキルを全力で出し切る。 全力でやっても大工さんの仕事には及ばないが、8割方ぐらいまでは持っていける。

実際に本当に丁寧な仕事を要求する場合には、時間が必要。 ミリ単位で丁寧にやって、スキマなく合わせる仕事をするには、ゆっくりとじっくりと掛からなくてはいけない。

機能を満たすのと、そういう丁寧さのバランスは、その現場や施主との相談でかなり変わる。 予算の事もあるし、お互いに納得が出来る線を目指す。

廃材建築のプロは大工のように、「そんないい加減な仕事は出来ねえ。」というプライドは持ち合わせていない。 その辺りは臨機応変に対応する。

いい加減でもいい所は、極めていい加減にする。 プロの、「こういう風にするのが当たり前」という常識そのものがおかしいんやから。

そういう囚われた常識から開放され、施主にとっても、自分にとっても真に「良い加減」を目指すのだ!!!

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