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【天ぷらカー】自作天ぷらカーの改造のワークショップ

正月明けに募集した「天ぷらカーWS」。 昨日の夕方、無事に天ぷらカーが誕生した。

http://kadoya.ashita-sanuki.jp/e818052.html 「わあい」のマサのこのダットサントラックを改造した。


今回目玉の「熱交換器」の自作のための配管材料。 これを使って自作する方式を「ヤマノ式」と呼ぶ。

それを山野さんという方が考案したから。 天ぷらカーの歴史は浅く、まだ10年ちょっとだそう。 今回講師を務めてくれた「桜の山農場」の坂本くんは日本の天ぷらカーの黎明期から仲間たちと情報交換しながら自分で自分の車を改造してる猛者。


このヒーターホースの中に銅管を通して、熱くなったラジエーターのクーラントを循環させて天ぷら油をサラサラにするのが「熱交換器」。


これが、電気的に軽油と天ぷら油を切り換える「シックスポート」という弁。


重機用の燃料フィルター。 これを天ぷらのラインに入れて最終的に混じった異物を濾過する。


透明のチューブの中にスパイラル状の針金の入った「スプリングホース」。 これで天ぷらのラインを新設する。


後は車内に設けるシックスポートの切り替えスイッチとそのヒューズなど。


改造前のダットラのエンジンルーム。 右下のポリタンクが軽油タンクで、本体の燃料タンクに天ぷら油を入れる仕様。 既にマサはいい油を大量に確保出来てるので、こういう思い切ったレイアウトを考えた模様。

というように、「熱交換器」、「切り替え弁」、「天ぷら油タンク」の新設と、「切り替えスイッチ」やホース類というたったこれだけのホームセンターで揃うような材料で自作出来るのが天ぷらカーの醍醐味。


よく分からんとは思うけど、先に完成後の写真を出しておく。 「何やら、ホース類が増えてるなー。」というのは確認出来ると思う。 前日に坂本くんがどういうレイアウトにするかを丹念に考えてた。 こういうホースの取り回しなどが要になってくる。


まずは坂本くんが図を見せて天ぷらカーの概要を説明。


第一に「ヤマノ式熱交換器」に製作に取り掛かる。


ヒーターホースの中に銅管を通し、配管材料で中を通るクーラントが漏れ出さないようにする。


こんな道具で銅管を加工する。


ギューッとかしめる。


こんな風に加工される。 こうする事でホースをホースバンドで締めると抜けなくなる。


軽油と天ぷら油を切り換える「シックスポート」の取り付け。


重機用フィルター(天ぷら油の最終濾過)の取り付け。


軽油タンクにホースの取り付け。


各部品をホースで繋ぎ配管する。 ディーゼル車には「供給」と「リターン」と言い、燃料の「行き」と「帰り」のラインがある。 これが天ぷらと軽油になるので、4本になる。 それを4本差し込み切り替え弁を通り、2本のホースになるので、6つの「シックスポート」が必要な訳。


お昼は薪で炊いた玄米ご飯に、これまた外の簡易カマドで中華丼を作ってみんなで食べた。 坂本くんの本業の豚と野菜で豪華なランチになった。


お昼ご飯の後、座学。 作業の方が順調じゃないと出来んかな?と話てたけど、出来る余裕があった。

プロジェクターで坂本くんの資料を見ながらの講義は皆勉強になったよう。 質問ではやはり「トラブルはないんですか?」というのが多い。 答えは「ありありです!」だ。 大体調子って急に悪くなるもの。 もちろん慣れてくると前兆に気付き、ちょっとした事はすぐに回避できる。 しかし、自分の車以外にも数々の天ぷらカーを手掛けるならいざしらず、ほとんど自分の経験からの憶測での判断になる。 そのトラブルを自分で解決する事そのものを愉しめる者じゃないと乗れないというのが結論だ。


これがまた難しい電気系統の作業。 シックスポートの切り替えスイッチを室内につける。 まず、このカバーを外すのが難儀。 この方は車屋さんで坂本くんも完全に、お願いします状態で、超助かった。


スイッチの配線を懸命に勉強した。 僕も電気系統は超苦手だけど、何回か改造に立ち会ってるうちにちょこっとずつ理解出来てきた。


スマートに収まった。 天ぷらの時にはランプが点いて、軽油に切り替えると消えるという分かりやすい仕組み。 自分が乗る時にはまず忘れる事はないけど、こうしておくと他の家族が乗る時にも安心。


マサがせっせと配管してる間に坂本くんが面白いものを見せてくれた。 坂本家が脱ガスするきっかけになったのが、この「ぬかクド」という籾ガラの調理システム。


底に小さな火種を作るだけで、真ん中の筒に開けた穴から籾ガラからガスが出て燃えるというシステム。 坂本家では朝昼晩とこれとロケットストーブを組み合わせてやってるとか。 籾ガラなら籾すり場に行けばいくらでももらえるし、燃やした後は燻炭も生産出来るとソツがない。


たちまち強火になり、15分ぐらいは持続する。 再度火種や籾ガラを継ぎ足す事で、何時間でも簡単に焚き続ける事も可能。

作るのも簡単で、使うのも容易というハードルの低さがいい。 最も、うちはステンレスカマドという超快適なシステムが完成されてるので、外調理の時だけの出番になりそうやけど作りたい。

この辺りは天ぷらカーにも通じる部分。

苦労する ボロい 汚れる

というネガティブな部分をワクワクに捉えられるかどうか? これは一重に「タダのもんをしたたかに利用する。」という強烈な動機がないとね。

タダより高いもんはない

この諺を覆せ!

タダだからこそ燃えるのだ!! この煮えたぎるモチベーションが、「高い」とされる労力をレジャーに昇華するのだから。

廃材生活=レジャー

これが確立されれば余計な物欲はなくなり、「来月収入ゼロでも問題ないよん♪」の秋山家の境地に入れるのだ。

いかに稼ぐか? いかに成功するか?

荘大な夢も巨大プロジェクトも、この廃材いじって些細でもワクワクが止まらない創意工夫の前には霞んで空々しい。

大風呂敷広げたり、理想に燃えた妄想に浸るのも自由。 だが、自分の身体と五感を駆使しないコンセプトありきの夢など、所詮夢でしかない。

自分が今、どうしたいのか?

どうなんだ???


完成した天ぷらカーの前で。 これから、マサの油にまみれた天ぷらカーとの付き合いが始まる。

トラブルは確実に起こる。 その時には坂本くんなり、うちに聞けば経験した範囲では答えられる。 全国の天ぷらカー仲間も居る。

この中から次の天ぷらカーオーナーになるのは誰なのだ?

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