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【古民家再生】神戸の外れの築100年超えの古民家をリノベーション⑥(階段、踊り場、トイレ編)

神戸市西区押部谷の「うぶすな助産院」はいよいよ、3/20にオープンした。

今回も、合宿体制での詰め込み型ワークショップがあった。 第五回目のワークショップだった。 その講師として行って来た。 3/17の早朝に出掛けて、3/21に帰って来た。

実際には、ワークショップという和やかなもんではなく、全員ひたすらガッツリ労働。 僕も講師というか、何とか間に合わせるために職人として全力での作業。 僕が指示して誰かが出来る場合はそうするし、僕の作業の手間として大勢居るので、素晴らしいスピードで進む。


築100年超えの古民家の再生工事も大詰め。 作業には一番いい季節に、ラストスパートを迎えた。


漆喰を塗ったり、まだまだ作業はある。


新品のトイレの据付けは僕の仕事。


他の字の座敷の真ん中の柱。 この根元が少し腐ってるのと、柄石が不安定なのを解消して欲しいと頼まれてた。 右側二部屋は畳が入るので、畳屋さんが来るまでに片付けないと! この写真は、一旦床板を剥がしている最中。


敷居を切って、この柱の隣に新たな柱を沿える。


四寸角の廃材があった。 ソリやヒネリのない、最高の状態のもの。


丸ノコで直角にカットして、電気カンナで磨くと、新品同様になる。


既存の柱に沿わせた。 柄石の上に更に石臼が乗せてあり、何だか不安定、、、。


羽子板ボルトを入れて。


全体を大きめの型枠で囲んだ。


コンクリートの練り方を教えて、流し込んでもらう。


かなりシッカリとした基礎になった。


玄関から入った所の土間。 ここの吹き抜けに階段を作る。 元々、二階は物置きとして、ハシゴを使って登っていたような形跡はあった。


角度や付け方なんかを考えながら、まずはこういう部品をつける。


こんな感じ。


こう来て。


三寸角ダブルにして、胴縁で踏み板を置くための台を両側につける。


ジャン! 踏み板は20㎝×3、5㎝という、足場用の板。 三寸角ダブルと足場板で、めっちゃシッカリとした階段になった。


ここからが更に考えた。 この漆喰の壁の上まで行きたいが、上の梁が邪魔になるのと角度が急過ぎるので、ここで階段を90°曲げる事にした。


こんな風にした。


各所で色んな作業を同時進行。 これは壁土を振るってる所。


メインの座敷二間は吹き抜け。 高い壁も上まで全部漆喰で仕上げる。


仮の足場を梁の上に渡して、漆喰を塗る。


見事上まで完成。


他にも塗り残してある場所があった。 ここは畳が入る部屋なので、急げーーー。


廊下の壁もちゃんと上まで塗る。


さあ、壁も塗り終わった。 「畳屋さんが来るぞー。」 「掃除、掃除!」


立派な新品の畳が入り始めた。


畳も無事に入り、「きらめ樹間伐材」のフローリングの養生も外し、いい感じ~。


最終日だけど、まだまだ仕事はあるぞ。 トイレ設置の前に、給水管の漏れを直さねば。 映太の所のスタッフがチーズ(T型の分岐ソケット)をつけたけど、漏れるみたいで、補修テープで巻いてもダメだったよう。


写真では分かりにくいが、塩ビ管をバーナーで焙って、角度を調整して入れ直した。 これで、バッチリ。


で、トイレの設置。


トイレはタイルで仕上げるので、便器を嵩上げしておく。


これで、設置完了。


給水ソケットも便器と同じレベルまで嵩上げする。


トイレ工事が終わって暗くなっても、まだまだ。 これは、階段から上がり、二階の廊下部分を新設した部分。 ここに手摺りをつける。 20日のイベントには子どもたちもたくさん来るからね。


最終日は8時頃までやったけど終わらず、結局イベント当時の午前中までかかった。

簡単に角材でやれば早かったんだが、映太が丸太に拘りたいと。 「丸太と言えば、チェーンソーワークの出番だ!」 という僕もノリノリでやらせてもらった。 こういうのは急ぎの時は、チェーンソーをノミのように使って削り込んで合わせる。 本当はノミでコツコツ削って、丁寧に合わせるんだろうが、、、。


完成したのは、オープニングイベントの1時間前という、ギリギリぶりだった、、、。


やっつけの割には、ソコソコはピッタリさせる事ができた。


九州から北海道まで、全国各地からお客さんが来てくれた。


手前の部屋まで、満員になった。


二階席は子どもたちのお気に入りになった。


映太登場!

この古民家再生は、映太が主宰の「バースカフェ」が母体となっている。 それだからか偶然にも、この3/20が取り掛かりから十月十日という面白さ。 イベントの日を決定した後で、最初から計算した時には、スタッフ一同ビックリしたそうな。

その去年の5月からの作業の流れをスライドショーにして、皆に見せてくれた。 最後には涙なしには見られない程の、とんでもなく皆の想いの詰まった完成になった。

映太のスタッフは若くて経験もなかった。 9月から現場の中心のナオトと、12月から来たチュウ太郎の二人は本当によくやったと思う。 事務局の愛子さんは映太のハードスケジュールを陰で支える役割。 そこへ、2月からヒナノという若いスタッフも加わっている。

僕も月に一度×5回も関わらせてもらったが、こんな現場はヨソでは経験した事がない。 ワークショップの度に、参加者が増える一方。 みんな参加費まで払って、ガッツリ労働して、 「また来たいですーーー! と、感激して帰る。

それは、一重に映太の本気さに触れて、その想いに賛同するから。 それとここに集まる仲間の縁は素晴らしい。

既に、バースカフェで出会って結婚して、何と赤ちゃんを授かったという人も居る。 この「うぶすな助産院」という拠点が出来たので、これから更に加速するのだろう。

このプロジェクトに関わって欲しいと、映太から電話があったのが去年の9月。 どこの工務店や設計士、大工さんに見に来てもらっても、 「修理は不可能なので、建て直した方がいい。」 の一点張りだったそうな。

もちろん、建て直す(2~4000万円)ぐらいの予算をかければ、出来ない事はないんだろうけど、、、。 例えば、瓦や壁は全部取り払って裸にして、傷んだ柱や梁もかなり取り替えて、、、という具合に。 いわゆる「古民家再生」というのはそういうイメージがある。

それを、棟梁も素人(僕)で月のうち3日しか来ない。 後は自分たちでやってしまおう、という意気込みには恐れ入った。 しかもコツコツと何年もかけて、というのではなく、ほんの10ヶ月でやり遂げた。

最初の数ヶ月は、周りの草刈りや家の中のゴミ出しだけでも大変だったそう。 僕が最初に行った、10月には、腐った床や天井は解体されて、ガランとした状態だった。 そこから怒涛の5ヶ月で、ここまでやってるんやから、大したもの。

僕は自分一人でコツコツやるタイプ。 でも、ここの「みんなでつくる!」というコンセプトは、実は危うい。

「みんなで。」って、よく使われる言葉。 しかし、「みんな」という人は居ない。 よっぽどの想いが中心になければ、必ず計画は頓挫する。

ここまで、延べで500人という人が関わってここまで来たそうな。 そこは繰り返すが、映太の想いと牽引力やと思う。

僕も色々と考えさせられる所は多かった。 随分、成長させてもらえたようにも思う。

本当に、関わらせてもらって嬉しいプロジェクトだった。 今後の彼らの活動も見守って行きたいと思う!!


萱葺きカー! 僕個人としては、映太の同級生の萱葺き職人との出会いも面白かった。

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