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【DIY】古民家の瓦屋根修理で押さえるべきポイント

岡山に出張の続き。

備前の実家を後にして、100㌔程西の高梁へ。 いつも「野草教室」の先生として年に一度は廃材天国に来て頂いてる姫さんの家。

同じ岡山県内の牛窓から移住して15年とか。 かつて引っ越しの手伝いに行ったけど、月日が経つのは早い。 その時に植えた数十センチのビワの木が3mを超す立派な木に成長してた。


目的はコレ。 見た目には「一枚だけ穴が開いただけじゃん。」という感じ。 実際には、ちょこっとしたズレは姫さん自身で何度も上がっては直してたそうな。 でも、この段階では穴の下の垂木が腐ってて、「上がってズボッと抜けおちたら、、、。」というレベルになってた。 そこで、「自分ではちょっと、、、。」ということで廃材建築家の出番になった。


屋根を直すタイミングで雨漏りしてる下の部屋の天井も取っ払いたいという要望。 まずはブルーシートをガンタッカーで留めて養生する。


行った日は打ち合わせと養生で宴会の時間がきた。 息子の海人くん手製のスモークサーモンにディルをあしらったサラダ。


これは美星町でこだわりの飼育の豚さんの耳。 沖縄のお土産で幹物のミミガーってあるけど、こんなプリプリの立派な耳の根元は初めて。 マスタード醤油で頂いた。


ケミカルな天井材を剝すと本来の天井が見えた。 で、天井から腐った垂木が一本だけなのが確認出来た。 このぐらいの被害なら上に上がった方が早い。


でも、野地板の腐ってるのを交換しようと思えばこのぐらいは外すハメになる。 土は後で使うのでとっておく。 まだ野地板を使ってる時代の家でよかった。 更に古くなると、瓦の下の土は竹の上に杉の皮やワラを敷きつめて持たせてある。 そういう場合は全部張り替えになるね。


天井を剝した廃材で野地板として張っていく。


瓦の下の土に水を入れて錬る。


瓦の山にあたる部分にボリュームを持たせて置く。


土が足りなくなったので、田んぼの土を採って谷の部分にも置く。


何とか瓦は元通りに直った。 ここまでは一日で出来た。 写真ではキレイに直ってるようでも、土の置いただけの瓦。 全体的にズレてる。 しかも、瓦って全体が繋がってる有機的な構造。 ついでに昔の瓦は結構歪んでても普通に使われてて、ガタがある。


そこで、コレ。 屋根用のポリコーク。 一軒目の廃材建築では廃材のスレートやトタンで屋根を葺いたので、コーキングには随分助けられた。


こんな感じですんごいズレのある部分には瓦のカケラ+コーキングという固定法。


全体的にズレてる瓦を下からコンコン突き上げ、四角い瓦の四隅にコーキングをかませた。 これでいよいよ修理完成。


新建材を固定してたバラ板を外した状態。 オリジナルの天井。 しかし、雨漏りで結構傷んでる。 姫さんは全部取っ払いたいと。


得意の解体バール一丁と少しの時間があればこうなる。 立派な梁と二階の押入れが何とも象徴的な屋根裏だった。

という、実際には2日間の作業。 ちょっとした作業で、特に資材代をかけなくたって当面雨漏りしないレベルにはなる。 施主である姫さん本人が納得してるんやから問題ない。

ただ。 〇〇工務店とか△△建設にお願いすると、そうはいかない。 全部瓦を外して野地板を全て新しくする。 新たに葺くのはこんな昔の瓦じゃいけないという事になり、瓦も新調しないといけない。 そりゃ、プロというのは素晴らしく堅牢で美しい仕上がりにするのが当たり前。 その代わり素晴らしい見積もりなり請求が出る。

これはいい悪いじゃなく、好みの問題。 中々廃材建築という選択肢はないかもしれんけど、どこまでやってもらうかは施主の要望なのだ。

地域の元職人のおっちゃんとかで、何でも屋さん的な人って必ず居る。 僕の一軒目の廃材ハウスの師匠の田村さんのような。 自分自身が何でも屋的にこんな事するようになるとは思わななかったけど、、、。

やはり、ぶっつけ本番とは言え、自分で経験したのが大きい。 基礎から構造、屋根、内装、電気、給排水、と一通り自分でやってみれば理解できる。

何より、こういう古民家のリフォームの時には解体現場での経験が一番役に立ってる。 作るのと反対の手順でバラす訳やからね。 どこがどうなってるかが一目瞭然。 しかも、すべて手仕事でローテクの昔の家だからこそ、特殊技術や特別な設備がなくとも自分で直せるのだ。

やってみんかい!!!

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