5月11日、熊本の被災地に向けて出発し、14日の夜に帰って来た。
まずは、報告。
11日の夕方、建設会社の仕事が終わった職人さんたちと、資材や道具の積み込み後、出発。 これは出発直前の、注意事項の説明。
4t車1台、2t車2台、乗用車3台に、20人以上が乗り込んで、代わる代わる運転して、 現地に着いたのは、朝の5時ぐらいだった。
やはり現地に近づくと、電柱が傾いてたり、橋の両側で段差が出来てたりと、地震の迫力を感じる。 まだまだ通行止めの箇所も多い。
この芝生の広場が宇城市ボランティアセンターとして、僕らの滞在する拠点となる。
まず、道具や資材を下ろす。
みんなでミーティングをして、徹夜明けでの作業に挑む。
ボランティアの方々が登録して、みんなで体操してから現場へと向かう。
僕らの仕事は、瓦屋根がズレて雨漏りしそうな家のブルーシート掛け。
一軒目の家には全員で向かい、どういう所を押さえるかを確認しあう。
既にお家の方が応急的にシートをかけてはいたが、間に合っていない。
被害を受けたほとんどの家が、瓦の棟部分が落ちて、雨が入るようになっていた。
棟だけでは済んでなく、施主の方の許可を得て、ソーラーパネルごとシートをかける。
シートの敵は風。 少々の風では飛ばないように、裏に細い角材を当てて、ビス留めする。
こんな感じで徹底的に覆う。 この家の後は、3班に分かれて、別々の現場で同時進行で活動した。 いい天気でなによりだったが、何しろ屋根の上の作業は超暑かった、、、。
ご飯は女性たちが炊き出ししてくれて、キャンプ状態。
みんなでテントを並べて寝た。
棟だけの被害の場合は、土嚢とPPロープで押さえる。
2階建ての高い家は大変。 足場もなく、ハシゴと脚立だけでの作業。
このお宅は、葺き替えて間がないと見えた。 こんな新しい瓦でも、かなりの被害に遭っていた。 すぐ近くでも、全くズレていない家もある。 断層の位置なのか、直下型地震の恐ろしさを見た。
軒の部分だけ別に掛けたり。
この家は僕の実家と同じ、伝統工法の昔の家だった。 土と瓦だけの日本家屋はほんとに無残にもズレまくってる。
こういうのを見ると、将来葺き替える時に、どうしようかと思う。 いっその事、板金の屋根の方がいいのか? いや、地震にはよくても板金の屋根は暑かったり、雨音がうるさかったりという日常的なデメリットも多い。 たっぱり、瓦と土の断熱にはかなわない。
いやいや、屋根裏にしっかりと断熱材を入れて、FRPでコーティングするのが一番なのか!? とか、作業しながら考える。
どのみち、家が使い物にならなくなっても、命さえあれば、また自分で直す。 これが、僕の結論。 家ごときのために永いローンを組んでみたり、金がないからと困ったりしないためにやってるのが廃材生活。 初めっから、瓦礫のような廃材利用で家を作ってるのだ。 屋根がどうなれ、またその時に閃くアイデアでいくらでも対応出来る。
総勢22人のチーム。 一緒にテント生活をし、炊き出しのご飯を食べ、毎日の作業をした。 3日間の作業があっという間だった。 常に一人で作業してきた身としては、こういう大勢の人海戦術にはいつも感心する。
実は、作業をした宇城市は、被害の大きい益城町から車で1時間ぐらい離れてる。 2日目の作業の後、益城町にも行ってきた。
道路は割れて。
電柱は傾き。
完全に崩壊した家ばかり。
しっかりとしたH鋼の鉄筋コンクリートだって、この有様。
一階部分がペチャンコに潰れたこういう家多数。
そこいら中が、こういう瓦礫の山。
今回の地震は直下型で、被害が集中というイメージがあった。 しかし、実際に行って活動した感じとしては、丸亀から高松ぐらいの範囲よりも広く屋根の被害は出てた。 益城町の最前線は本当に凄かったが、後は概ね屋根の被害。
地震関係のニュースなどでは、 「余震の不安」 「今後の生活の不安」 「経済t不安」 「将来の不安」 と、不安を煽る傾向がある。
もちろん、不安を抱える人もいるだろう。
じゃあ、どうすればその不安を払拭できるのか?
次の地震がいつくるのか? 今壊れた家を建て直すのにはどうすればいいのか? ライフラインをどう確保するのか? 食べ物の備蓄は? もし何かあった時の保険は? これからどうやって生きてゆくのか?
不安の根源とは何か?
ズバリ! グルグルと同じ呪文を唱えながら、何も行動しない事。
「どうしよう、どうしよう。」 と、言いながら、ネット眺めてたって、救世主は現れない。
で。
不安をなくすには!
一つ、一つ、思いついた事をするしかない。
例えば、自給自足とまで行かなくとも、焚き物の確保や井戸を掘るとか。 お米と調味料ぐらい、備蓄しておくとか。
実際に家が壊れようとも、 一枚づつ瓦を拾い集めて、軽トラ借りて来て棄てに行くとか。 ボツボツ家を解体するなんて、バールが一本あれば、寝たきりでもない限り不可能ではないぞ。
そういう、一つ一つの行動なしに、頭で考えるだけというのが一番厄介。
目の前に差し迫った事に、自分の労力を向けろ!
取り組まないから出来ないし、コツコツやってりゃ廃材天国のように出来るんだ!!
3、11の直後のブログでも書いたが、いい加減気付けよ! 天災や不慮の事故や何かで、イチイチ慌てふためいてて、生きてゆけんぞ。
安心を求めるからこそ、執念深く自力で何とかしようとするのだ。 何が起ころうとも、命のある限りはネチネチと生きるんだ!!!
軽妙なフットワークでね♪
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