2016、3/13「第五回、廃材天国見学会」のご報告。
今回の実習は、「大工の基本」。 最初の皆の自己紹介を聞いて驚いたのは、 今回の参加者は女性も含めて、この大工の実習に向かう期待が大きい事だった。
既に家で実践しつつあるけど、上手くいかない人から、 全く始めてだけど、是非出来るようになりたいという人まで。
実は、今回の実習は何にしようかと、何人かに聞いて決めた。 その理由が、女性でも丸ノコやインパクトを使えるようになりたいというものだった。



手ノコだって、ポイントを押さえておけば馬鹿にならない。 絶対に押さえる所が、「替え刃式ノコギリ」で、刃をしょっちゅう替える事。
エコな生活を目指す人は、「使い捨て」を嫌がる。 僕も当初、家を建て始めた頃に、金物屋で、 「目立ての出来る鋼のノコギリ下さい。」 と、言ったもの。 その時に、今の「替え刃式」の刃は「衝撃焼入れ」というとんでもなく硬い刃なので、目立てが出来ないというのを知った。 それ以来僕は、兵庫県三木市で生産される「ゼットソー」を一途に使い続けている。

これも、ちゃんとした安全な使い方からスタート。 大抵の人が「キックバック」の事を知らない。 これは最初に、いくつか聞くだけですぐに分かるポイント。
今回はホームセンターの売り場で「桟木(さんぎ)」と呼ばれる廃材を使った。 細くて、初心者でも扱いやすいから。 小型の丸ノコでも、簡単にカット出来るサイズ。 まずはこういうので慣れると、太い角材も切れるようになる。








この実習は何と、1時間やったからねー。 その間に、手ノコの説明から、丸ノコの使い方、構造の作り方、そうして、実際に形になった。 こういうのを体験すると、セルフビルドの敷居は一気に下がる。

今回のテーマは、 ジビエ、 野草、 自家栽培の野菜、 手作り保存食、
うちらにとってはいつものご飯。 とんでもなく特別な事をしてる訳ではない。 もちろん、普段よりは品数が多かったりはしてるけど。







「天ぷら油」と「軽油」の切り替えスイッチを見てもらって、エンジンをかけて切り替えた。 実際に天ぷらの排気ガスを匂ってもらった。















この後はあっこちゃんの「自給的手作り生活」という講演。 いつものこのブログは僕目線でのものだが、 あっこちゃん発の貴重な話しが盛りだくさん。 特に、「子育て」、「暮らし」、「学校との関わり方」、「自力出産」と、 夫婦で来られてる子育て世代には興味津々なものばかり。


最後の振り返りでの感想を聞くと、ほんとにやってよかったと思える。
見学会も合宿もコンセプトは、 「それぞれが自分なりの自由で豊かな生活を謳歌して欲しい。」 という事。
そのための、 「自給自足のハードルを下げる」 という目的は大いに果たした。
写真で見るよりも、実際に見て、 「こんなボロくっていいんや!」 と、言う率直な感想も嬉しいもの。
かつて僕も写真で見て憧れていた、ハセヤンの「カナディアンファーム」を訪れた時。 「こんなんでええんかーーーぃ!」と言うツッコミの如き激しさで、廃材建築が身近になったもの。
凄い! 羨ましい! やりたいけれど、出来ない。 いつか時間が出来たら、、、。
ネットの中で眺めてるだけだと、こういう声もよく聞く。
しかし、実際にこの「廃材天国見学会」に来た参加者さんたちからは、 「早く実践したい!」という前のめりな感想がドシドシと飛び出してこっちもワクワクする。
うちだって、16年という歳月をかけて、ここまでのコンテンツを実現させている。 急にアレもコレも!と慌てたってダメ。 本当に自分のやりたい事から一つづつね。
「完璧を目指さない。」 「全てを頑張ろうと思わない。」
こういう事をアンケートに書いてくれてた方もあった。
大工も料理も何でもそう。 プロのそれを目指さない。 それが、たくさんのジャンルの事を自給する暮らしを実現させる大前提なのだ。
プロの職人を目指すのと、自分の暮らしのための自給という観点の違いがソコにある。
そして。 「自分の暮らし」というミニマムな部分にフォーカスし、 「したい事」を加速させ、「したくない事」はオミットしてゆく。 それは理想じゃない。 実現出来る現実だ。
自分のしたい事に邁進する。 少々失敗しても、絶対に諦めない。 この繰り返しは、大抵の事を実現可能にする。 それが本当に自分のしたい事であれば。
このローカルでミニマムな生活からしか、国も世界も変わってはゆかない。
ここに来て希望を持った方々が、またそれぞれの地で自分好みの暮らしを作ってゆく。 この小さな動きが、実は大きなムーブメントになってゆくのだ!!!