秋山家では、 三反の田んぼからとれたお米で一年分自給している。
廃材天国の5人家族、 実家の両親、 高松に住む弟家族、 京都の妹の分を。
一年中、玄米ご飯として食べる分以外に、麹にしたり、黒煎り玄米珈琲に加工する。 麹を自給できると、甘酒、味噌、麹漬け、どぶろく、、、と、醗酵食品を醸し放題。
この冬、三度目の麹作り。
三年目になる、麹醗酵器。 廃材の衣装ケースに、畳をバラして取ったスタイロフォーム を貼り付けてある。 この発泡スチロールの断熱材は優秀で、保温効果は高い。
廃材の畳の中でも、これの入ってるものは一発で分かる。 持った瞬間に、「超軽っ!」というのがソレ。
そもそも、ゴミになるこんな素材をわざわざホームセンターで買うと高い。 こんなものは廃材で十分。
衣装ケース醗酵器を作った時の様子 http://kadoya.ashita-sanuki.jp/e814789.html この時はビギナーズラックで麹も大成功
実はその後、初回のように、モコモコの理想的な麹はそう簡単に毎回出来ない事を思い知る。
後はこのミニ保温器を、断熱衣装ケースの中に仕込む。 麹は温度がシビアなので、これが活躍する。
麹菌はいつものコレ。 冷蔵庫で保存してあるので、いつでも使える。
まずは、蒸しあがったお米を冷ます。
40~50℃ぐらいで、麹菌をふりかける。 麹の醗酵に理想の温度は39℃だそうだが、混ぜてるうちにどんどん冷えるので、ちょい高目で混ぜ始める。
これは、お米の苗を育てる箱。 衣装ケースで麹を保温するのにこれを使う。
麹菌をよく混ぜて、サラシに包んで、育苗箱に乗せる。
こんな感じに、保温マットを仕込んで。
大きなビニールを被せて、育苗箱に乗せたお米を置く。
フタをして保温マットのスイッチを入れる。
時々温度をチェックして、40℃前後になるようにする。 この初期の加温が超大事で、ここで40℃に持ってくるまで、時間がかかり過ぎてはならない。
大体20時間目で、このぐらいの温度になってると言う事は、「自己発熱」し始めてるという事。 ここが麹作りの難しさのポイント!
麹の醗酵は、 甘酒の60℃で12時間とか、 納豆の40℃で20時間のように、 いつも一定で進行しない。
甘酒や納豆のように、 「放っておいたら出来てる。」 というようなモンではない。
自己発熱で温度が上がり過ぎてるのに、保温マットのスイッチを切らないと50℃とかに上がる。 あまり上がり過ぎると、麹菌が死んでしまう。 もう忘れつつあるが、赤ちゃんの世話のようなもの。
この20時間目頃に「一番手入れ」をする。 これは温度の上がりすぎを防ぐために、育苗箱を二つに分割する。 ここで、保温マットのスイッチは切る。
後は数時間ごとに、温度をチェックして混ぜて、温度が上がりすぎないようにする。
またサラシで包んで、保温する。
40時間目ぐらいで、ホワホワの麹の菌糸で、お米がビッシリと覆われる。 これで、成功は目前!
更に、8時間程、40℃を保つ。 これで、お米を割った時の断面にまで、白い麹菌がはびこる。
こんな感じ。
実は、ここまで麹屋の麹ほどの塊状にならなくとも、失敗ではない。 少々パラパラでも、お米の断面が白くなるぐらい麹菌が繁殖してればOK。
実際に去年、 「これで、大丈夫か~。」 という状態の出来具合の麹で味噌を仕込んでも、失敗しなかった。
それでも麹を醗酵させてて、モコモコの塊状にならないと、ヤキモキする。 初期の温度上昇が悪かったり、途中で世話が遅れて、温度が上がり過ぎたり、、、。
「うわーーー、やってもうたーー!」 という事、しばしば、、、。 その失敗を糧に、上達する。 今までの経験では、完全なる失敗はない。
少々麹菌の繁殖が悪くても、時間をかければ味噌や甘酒にはなる。 その見極めは、何度も諦めずにチャレンジするしかない。
そもそも、味噌の表面に夏にカビが来る事だってある。 そういう時にも、慌てずにカビを丁寧に拭き取り、ホワイトリカーで消毒するなどの対策を取れば大丈夫。
すぐさまほぐして、冷ます。
これで、完了!
今の気温なら、薄く広げて暖房のない部屋に置いておくと、しばらく持つ。 とは言え、早く使うに越した事はない。
早速、お米を醸して楽しむぞ~♪
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