粘土や砂を下ろしてソコソコ土壁の材料の準備が出来てきたんで、サンプルにちょびっとだけ塗ってみよう。
これが消石灰。 これは農業用として売られてるもの。 これなら一袋400円。
しかし、左官材料として建材屋で求めると一袋3000円とか!? 3000円もするんなら、漆喰の製品の4000円とほとんど変わらんではないか! 先に建材屋で値段を聞いてビックリしたんで、農協に問い合わせて農業用の値段を聞いて一安心。 どちらも「消石灰」は「消石灰」なので、質は同じやと思われる。
田んぼで集めた荒めのスサを適当に入れ、石灰1、粘土1、砂2の割合で配合してみた。
混ぜた。 田んぼで脱穀作業の時にハーベスタから排出されたスサを集めただけなんで、かなり荒くてモコモコ状態。
少しづつ水を加えながら練ってゆく。
半分にして、左には更にスサを足してみた。
タタミにリブラスを張ったのと同じ条件にするために、ボロいコンパネにリブラスを張った。
塗ってみる。 割と塗りやすい印象。 土歩も慎重にチャレンジ。
手前の茶色い方がスサが多い方。
数日おいて乾燥した。 左がスサの多い方、右が少ない方。
これがスサの少ない方。
こちらがスサの多い方。
比べるとスサが多い方が黄色っぽくてザックリとした味。 どちらも石灰が効いてカチカチのいい感じの壁になった。 爪で引っかいても全く崩れない程。
粘土の固まる性質と石灰の固まる性質が相まって超固まる事が分かった。 これなら粘土や石灰の割合を落とすために砂をもっと増やしてもいいぐらい。
実はコレ、色々と文献を調べながらオリジナルでやってるつもりだった。 しかしメキシコまでコブハウスの修行に行ったり、京都まで左官の勉強に行ってる「わあい」のマサによると、「昔は五分壁と言って土に石灰を混ぜたものがあったそうです。」と!? やはり荒壁→中塗り→漆喰というのはお城を始め、立派な建築物に用いられ、庶民の家はこの安くつく五分壁で仕上げられてたよう。
そう考えると、普通の土でいいんちゃう? と思い、これは3年前に古民家を解体して出た土。 瓦の下のや土壁(荒壁)のや混じってる。 掘ってよくよく見てみると、マサ土(花崗土)のようなもの。 コレを下ろす事にした。
フルイにバサッと入れる。
ガサガサとふるって。
塊を手でグイグイ揉んで潰す。
フルイの上に残った石やゴミや湿って塊が砕きにくい土などはまた土の山の脇に戻す。
かなりいい感じの下ろし土になる。 こんな感じで、土っておよそ全てが左官材料になるんちゃうかな。
昔の家って床下は柄石という柄を支える石の部分を残して、深く掘り下げられてる。 要するに家の建つ場所にあった土を壁や瓦の下に使ったという事。 ダンプでヨソから運ぶという発想がなければ当然そういう風に考える。
最も、今のうちでやってる「あるもんで」とは違う、ほんとの「あるもんで」工法。 そこにある木と石と土で建てる。 それが日本の伝統工法。 軒の深さ、屋根の角度、床の高さ、全てが雨の多い日本の気候を前提に決められてきたんやと思う。
北欧のエコ建築や南米の土建築もかわいいけど、基本は温故知新だ。 古きを尋ねて新しきを知る。 噛み砕くと、古い伝統文化を勉強して、新しいエコだロハスだとかも勉強する。 そうして、更にこれからのビジョンが見えてくるという事。
これが廃材生活が最先端と囁かれるユエンなのだ!!!
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