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天草塩の会の松本さんから、塩釜制作の依頼

熊本は天草を目指した天ぷらカーも快調に到着した。


ここが、「天草塩の会」の松本さんの塩屋の現場。 燃料の廃材がふんだんに積み込まれてる。


これが塩の釜。 毎日松本さんが火を入れてる。 週に一度は「炊き上げ」と言って、夜中までジャンジャン薪を焚いて、塩を結晶化させる。


まず、珊瑚の生息する海からエンジンポンプで海水を汲み上げる。


海から直接ホースでこのコンクリート製のタンクに海水をためる。 11tの部屋が3つある。 25年前に松本さんが自作されたそう。


こんな感じで勢いよく、海水が入る。 ちなみにエンジンのポンプは塩水による劣化で、一年の寿命だとか、、、。


そして、タンクからこの「水盤」と「櫓(やぐら)」を電動ポンプで循環させる。 櫓にかけられた寒冷紗や広い水盤をゆっくりと循環する事で、海水が濃縮される。

松本さんは塩屋を始めるにあたって、まずはこのタンクと水盤のコンクリート作業を一人でやる所から始められたそう。


水盤と櫓を循環して濃縮された海水の事を「かん水」という。 これはかん水を釜に注いでる所。 毎日薪で焚いて、かん水を炊く事で蒸発して減った分毎日足す。 で、6日間炊いてかなりの濃度になってからは、最後の一日で「炊き上げ」という工程。


炊き上げじゃない日でも、朝から炊くと夕方には沸騰して、夜には蒸気がもうもうと上がる。


今回は短い滞在だったので、炊き上げに立ち会う事は出来なかったが、これが出来た塩。 ここもポイントで、出来た塩はこうして山にしてゆっくりとニガリを切る。 多少はニガリ(マグネシウム)もあった方がよい。

自然塩の元祖とも言うべき「〇の精」などの大規模化の塩屋はボイラーで炊いて、遠心分離機にかけるそう。

塩の話をじっくりすると長くなるが。 JTの「食塩」というのは「イオン交換膜法という海水に電極を入れて、塩を分離させる方式。 これで出来た塩は、塩化ナトリウム99%の塩。 釜で炊いた松本さんのような「自然塩」の塩化ナトリウムの率は80%程。 この2割の違いって大きい。 100g中の20gもある訳やからねー。 ここにマグネシウム、カリウム、鉄分、マンガン、カルシウム、亜鉛、、、、というミネラルが含まれる。


これはポリカの波板で作った天日塩の小屋の内部。


じわじわ結晶化する。 釜で炊くよりも、更に結晶が大きい。 ゆっくりと結晶させる程大きな粒になる。


木も強烈な海水からの蒸気により分解される。 海水のには塩だけじゃなく、地球の全ての元素が溶け込んでる。 この蒸気にも塩以外の元素が含まれてて、その作用によって分解が進むんだそう。


今回の下見の重要事項の一つがコレ。 24時間電動ポンプを回すために電源は動力(3相)。 ここにうちの単相200Vの溶接機を繋ぐ。


ポンプ用につけてある子のブレーカーは15A。 どう考えても、溶接機には足りないので、親の50Aのブレーカーから直接取った。


電源小屋の前で、しばし持参した鉄の廃材を溶接してみた。 バッチリ上手くいった!!


滞在中は明治時代の古民家をリフォームした、「石ころ亭」に泊めさせて頂いた。


超低いバーカウンターがオシャレ。


宴会の後の鉄瓶の白湯が美味い。 文字通り、ラフに石ころを積んだだけの囲炉裏。


帰りはあいにくの雨だった。 最近はSAでもPAでもこういう屋根付きの駐車スペースがあり、天ぷら油の給油に助かる。

夜の早めには廃材天国にたどり着いた。 お土産の天草の活き車えびと熊本の馬刺しに、子どもたちが歓喜したのは言うまでもない。


これは松本さんに頂いたお土産。


松本さんの塩は本当に美味しい。 ホテルの料理長や漢方医の先生などからも受注が多く、生産が追いついてない状態だそう。

3日のうち2日は丸々運転という強行軍で疲れたが、じっくり松本さんと話せたのがよかった。 来年早春の釜の構造などの打ち合わせも決まった。

元はと言えば、前に釜を製作してくれた方が病気で現役を退いて、僕に話が来た。 今回、その職人の方の所も訪れて、色々と肝になるアドバイスも聞けた。 やはり、長年職人をしてきた方の話は深い。

それと、いかに鉄の専門家とは言え、しょっちゅう塩を炊く釜の製作をする訳ではない。 松本さん自身、今回やりかえるのが4回目。 毎回、自分の使いやすいよう、熱効率が上がるよう、耐久性が上がるよう、進化させてきたそう。 僕も、簡単な図面は出来たので、これから細部の事や、来年の現場での作業の工程を煮詰めてゆく。

松本さん曰く、「塩屋になるにはタンクと水盤の自作から。」 要するに生コンを流すための型枠大工技術を覚えて、自作しないと、莫大な経費がかかる。

かと言って、規模拡大してその経費を取り返すようなやり方は本末転倒だと仰る。 たまに弟子は居ても、基本は夫婦二人で営まれてる、 「生産量は増やさない!」が信条。 これは、食や生きる事にまつわる仕事の基本やね。

田舎暮らしの仕事として、有機農業専業家や陶芸家など色々あるが、この塩屋というのは、最初のビジョンがハッキリしてないと出来ないと強く感じた。

松本さんは、「個人でこうして塩を作る人が増える事で海岸線なりキレイな海が守られる。」と仰る。 このやり方は誰にでも教え、実際に弟子が何人も独立して塩屋として活動している。

こういう仕事に廃材の鉄板で、薪ストーブを自作する事から始めた溶接のスキルが活きるとはねー。

来年に向けて、周到に準備してゆこう!!!

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