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地域の秋祭りに参加すると、田舎暮らしが楽になる

地域の氏神様の八十主(やそすか)神社。 10月の第一土日が秋の大祭。


神社本殿の前の神楽台に置かれた御神輿(ごじんじ)。

土曜日の早朝、川西獅子組のメンバーはここでお祓いを受けて、小字の川西部落の氏子の家々に獅子を奉納する。 川西部落は47軒、獅子が回るのに丸一日かかる。

あいにくの雨やったけど、獅子は家の座敷に上がっての奉納なので、雨でも大丈夫。 軽バンに道具を積み込んで手際よく運ぶ。

太鼓打ちと言う、太鼓の叩き手は小学一年生の役割。 県外に出てる大学生たちも帰ってきてくれて、獅子に加勢してくれる。 ハッキリ言って、彼ら若手が居ないと獅子というハードな動きのこの祭りの存続は難しい。 幸い川西獅子組のメンバーは多くて、祭りがとり行えてる。


実家の座敷での奉納。


野遊も獅子の使い手。 小学生は自分の家ぐらいしかまだ使わせてもらえないけど、必死で練習してきた。

中学生ぐらいになって体も大きくなって、みんなに認められると一人前。 バリバリの大学生になっても、お歴々の年寄り連中から、「昔から獅子はの、、、。」というダメ出しが入る。 こういう家族よりも大きな社会集団の中での共同行事として、この祭りの意義は超深い。 おそらく、獅子で認められる若者は学校や会社、あらゆる集団の中でみんなをまとめたり、様々なプロジェクトをこなしていく力がつくと思われる。

実際獅子はハードで、40歳をむかえた僕のような中年世代にはキツイ。 職人などの仕事なら、若いがむしゃらなパワーだけではこなせないけど、獅子は経験で50代の方が味があって、、、ということにはならない。 小学高学年から覚えて、中高生、ハタチ前後が一番。 若者を認めて、「お前たちが居らんとやっていけんわ。」という関係性。 それでいて、伝統やしきたりについては厳しく伝えられていく。


廃材の家も獅子を迎えるために、ココ一番の片付け具合。


そして獅子の奉納。


日曜日には子ども会の太鼓台も出る。


日曜日が本祭りと言い、神社での一斉奉納。 この後、御神体を本殿から写した御神輿が神社から当元(祭りの取り仕切りを行う)の部落へと出る。


烏天狗などのダカも出て、派手に盛り上がる。


御旅所での神事の後、ここでも獅子組の一斉奉納。


その後、御神輿が神社に帰り、また獅子の奉納。 これは八十主神社唯一の太鼓台の奉納。

これで御神体も本殿に帰り、年に一度の大祭は終了。 ただ、酒飲んでバカ騒ぎするだけじゃなく、伝統とシキタリというめんどくさいルールに基づいて行われるのが祭り。

これはどこかの誰かという信じがたい空想上の神様に対してやってる訳ではない。 この地に住み、田畑を耕す。 そこには代々伝わる神社がある。 そして住人は天照大御神を祀る神社の氏子という事に設定してある。

これはここの住人たちが円滑に生活できるために考えられたシステムなのだ。

そしてこれに参加するのは自分が楽に生活できるためでもある。

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