2月に行って以来の高知の山間部の渡貫家の改修工事。 6月一杯でメドをつけたいという事で、今回は最終段階。
去年の12月、今年の1月、2月とそれぞれ、2泊3日でピンポイントで僕と一緒に洋介くんが作業を進めてきた。 僕が帰った後は彼がコツコツと一人で次の工程に進む。 当初ボロボロだった古民家は見違える程になってきた。
今回はキッチンとダイニングを兼ねた土間部分を石畳にするという作業。 厚みの違う廃材の石でいかにしてフラットな床を作るか? やはり、やった事ないと取り掛かりにくいもの。 という事で僕と洋介くんと一緒に作業することになった。
本命の石畳に取り掛かる前に、コレを直すことにした。 家の中心の柱なので、このままではヤバイ。
4tのボトルジャッキで突っ張って、持ち上げる。
その間に電気カンナで美しく蘇った廃材を入れる。 薄い方のは足元の腐りを隠すための化粧として。 この4寸角の新たな柱と元々の柱を長いキリで貫通させて寸切りボルトで締めつける事で強度が出る。
白アリ、雨漏り、長年ほったらかしの古民家でこういう腐りは当たり前。 プロの工務店に相談してキッチリ直そうとすると素晴らしい見積もりが出る。 住む本人がこういうノリで構わなければ、廃材で自分たちで十分直せる。
さあ、本題の石畳の作業。 一面だけはフラットだけど、かなり凸凹した廃材石。 丁度この部屋が深くくぼんでたので、そこまで掘らずに水平が出せそう。
まず、水糸(ピンクのを2本)を張り、水平を出す。 その糸から長い水平機を使って、一つ一つの石の下にガラや薄い石などを敷き込んで水平を出してゆく。
水平が出たら、スキマに砂利を敷き詰める。
こんな感じで美しい。 かなり深かったので、コンクリートなりモルタルで目地を詰めるにはこういう下地を入れると、練る手間が減る。
コンクリを練って、スキマを詰めてゆく。 子どもたちも参加。
こんな感じ。
翌朝には歩けるので、石のふちについたセメントをコテでこそぎ落とす。
後半分とちょっと残ってる。
今回の工事までに、洋介くんもアチコチ石屋を回って廃材の石を集めた。 ただそこまでふんだんな量はなかったので、一度全部置いてみてシュミレーションしてみる。 こちらの石は前日のとは違って、薄くて扱いやすい。 それでも、2㎝~4㎝ぐらいまで厚みはマチマチ。
こちらは砂利じゃなく、砂。 砂で下地を作り、水平を出してゆく。
何個か水平が決まるとモルタルを練って流し込み、コテでフラットに仕上げる。
砂利、砂、セメント(3:2:1)が「コンクリート」で、砂、セメント(3:1)が「モルタル」。 たくさん量を入れる時や強度を得たい時にはコンクリート、薄い部分や小さな隙間の目地などはモルタルにする。
ここまでで時間切れとなり、作業終了。 もうここまで来れば、先は見えた。 段どりも覚えたし、後は洋介くんが仕上げる。
4月の「自給自足合宿」の直後にしょうたくんと行った、池田家とこの渡貫家の家の状況は近い。
どちらも長年放置された田舎の古民家を家賃数千円で借り、全て自分たちで直して住もうとしてる。 大家さんからすれば、息子や娘たちはここに住む予定もないし、かと言って売って金になるような条件の場所じゃない。 しかし、土地を持ってる以上は離れた場所に住んでても、管理しないといけない。 家を直し、周りの草を刈って、田んぼや畑をする。 どこの変人がこんな事をやってくれるのか。 こういう自分たちでコツコツと整備するのが歓迎されない筈はない。
一から廃材で建てるのも面白いけど、こういういわゆる不動産価値のない家なら土地付きで100万で買ったという話もザラ。 しかも、廃材でセルフリノベーションするならお金もかからないし。
何より、どちらの家も超楽しんでボロい家に立ち向かって何とかしようとしてる。 でも、全くの素人で経験も道具も少なかったりするので、素人とプロの中間の僕がコーチしながら一緒に作業するというパターン。
どちらの家族も今までの軌道に乗った仕事を辞め、小さな子どもと共に何でも手作りするライフスタイルを選んで、実践し始めた所。 こういう家族が日本中にたくさん居るし、今後益々増える。
国や県の言ったりやったりする事に疑問を持つなら、「おかしいなー。」とツイートしててもしゃあないぜ。 疑問すら覚えない麻痺した病人は別として、オカシイと思えるなら一つづつそれを辞めてこう。 オカシイと思いながら、「せやけど、辞める訳には、、、。」と思わせるのが体制側の洗脳に他ならないのだ。
だから、不自由で安定したつまらない日常からの脱却なのだ。 自由になるための工夫や苦労こそが、血沸き肉踊るリアリティーある生活の復権だぞ!!!
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