高知の綿貫家の改修工事始まった。 廃材建築家としては腕の見せどころとも言うべき、築100年超の古民家の大改修。
廃材だけど、めっちゃイイ材。 軽トラに目一杯積み込んでも全く減った感じがしない量。
洋介くんが家一軒分の構造材をもらったそう。 夏に高知に移住して、早くも色んな縁でこんなにいい材が大量にもらえたんだとか。 幸先いいスタート。
前回の下見の時とはうって変わって、崩れかけた瓦は取り払われ、腐ってる部分は解体してくれてた。
こっちが正面。 元々のトイレ部分を減らして、脱衣室を増やす方針。
腐って撤去した部分の土台や柱を僕が新規に作ってる間に、洋介くんにハツリ作業をやってもらった。
廃材の山の中から見つけた5m80cmの5寸角の材を桁にした。 片屋根にして廃瓦の屋根にするという要望。 廃材天国以外での廃材建築では安く上げるために大抵波トタンが採用される。 一回アスファルトシングルの施工もやった。 今回は洋介くんとシネマちゃんの要望で廃材利用、且つ自然素材でいく。
洋介くんが今後使わない便槽の底に溜まった水分を逃がすために、底をハツッてる。
母屋の床下に差し込むように収納されてた廃材。 超しっかりしてるので、垂木の代りに使うことにした。
大体等間隔に配置して固定して、その上は野地板を張る。
移住者としては先輩の友達が手伝ってくれた。 何でもこれから数年で、今でさえ少ない4000人の人口が半減するとか。 それでも、移住者というのはコアな少数派。 しかも、都会からの移住希望者で廃屋を自分で住めるように直そうという者など皆無。 過疎の山村に移住するのだから優遇されて当たり前というのはもってのホカ。 就職先まで斡旋してもらおうというような性根で移住が実現する訳がないぞ。
垂木替わりの幅広の板が長かったので、前後ろにふんだんに出してかなり広い屋根になった。 窯業系サイディングのような素材を使わない自然素材の建築物の場合、軒は深い程いい。 建物が傷みにくいという面と、雨が当たらない部分が多いという事は住んでも使い勝手がいいもの。
材料ありきでデザインの決まる廃材建築。 こんだけ深い軒は寸五角(45mm角)の垂木では出せない。 この幅広の板が長かったのでこうした。 背の部分のついたバラついた材によってクールに決まった。
軒先の部分には平トタンを用いる。
必殺の防水材、農業用ビニール。
その上は納屋にあった厚目のシート。 これは廃瓦から防水ビニールを保護するための養生材なので破れててもOK。
端のビニールを板の切れ端で隠して後は瓦を置いていく。 うちのようにバラバラの瓦じゃないので、洋介くんは丁寧に敷き詰めてた。
その間に僕はコンクリの壁をハツった所に柱を入れたり筋交いを入れたり。
最終日の真っ暗になる前には筋交いと壁の下地を入れ終わった。 2泊3日の泊まり込みでの作業。 シネマちゃんの玄米と野菜のご飯も美味しかったし、余計なおやつも出ない最高の現場。
出版されたばかりのシネマちゃんの新たしい料理書。 母親の中島デコさんと共著。 ブラウンズフィールドで自家製したお米、醤油、酵素ジュースで作られたセンベイも頂いた。 子どもたちには最高のお土産になった。
食事、価値観、子育てと、ライフスタイルが似てるので、家を直すプロセスのコンセプトも共有しやすい。 普通の大工さんに見てもらったら、こんな風呂とトイレは壊して、母屋の中にユニットバスを入れた方が早いと言われたそうな。 そもそもが、風呂や料理も薪で生活したい彼等の相談できる工務店なり建築士は皆無と思われる。
この後、洋介くんが一人で出来る事を進めていって、また来月僕が応援に行くという流れ。
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