先日、五右衛門風呂の焚口がブレイクして、翌日にはサクッと直した。
直した直後の様子。 まだ、粘土が固まっていない状態。
前回の記事でも書いたが、本来はこの生の状態から毎日コテでトントン突き固めつつ、ゆっくりと乾燥させる。 ピサ窯作りのワークショップでも、口を酸っぱくして言うのがコレ。 ピザ窯ぐらいの規模になると、直接日光や風が当たらないようにボロ布で養生してゆっくり乾燥させる。 夏で2~3週間、冬だと1~2ヶ月という乾燥期間。
この五右衛門風呂でも、最初に作ってから、実際に焚くまでは1ヵ月以上は乾燥させた。 しかし、今回は毎日生活してる状態での、突貫修理。 修理を終えた日の夕方には火を入れた。
これが2日後の様子。 一回焚いただけでは、まだ下の方は生っぽかったが、2回目で完全にカチカチに乾燥した。
意外にヒビはこの2箇所だけ!!!
中まで貫通してる訳でもない。 と、まずは一安心。
これは粘土に結構砂を混ぜて、粘りを落として、スサの繊維もかなり入れてるから。 こういう、土の性質によって配合を決めるのがポイント。 こんなのも何度かやってりゃ、大体分かってくるもの。
しかし、燃焼室が広くなったためか、奥で燃やすと燃えづらくなった。 これは手前から供給される酸素が足りなくなったという事。
酸素不足ではいくら焚き方を工夫したってダメ。
煙突の「引き」の力が、この酸素の供給を決定する。
まずは煙突の煤掃除。 この石をどけると、煤掃除が出来るようにしてある。 上のステンレスの煙突本体をを火バサミでゴンゴン叩くとここに煤が落ちる。 ゲジゲジを上から突っ込んで掃除とかはめんどくさいので、こういうシステムにしてある。
こんな風に、煤がたまる。
煤を掃除すると、燃焼室から煙道を通り、煙突までの排気がスムーズになる。 これで、煙突本来の「引き」が蘇る。 結果、焚口からの酸素供給量が増えて焚きやすくなる。
煤掃除してると、気になる箇所があった。 左の丸の部分は隙間が開いてる。 上の丸は煙突の下の部分を塞いでた土が取れて、やはり隙間が出来てる。
こういう「隙間」が窯にとっては大敵。 燃焼中、煙突周辺のこういう隙間からは、エアを吸い込む。 こういう途中から入るエアによって、煙突上部に抜ける排気が邪魔される。 要するに、こういうのも焚口からのエアの供給を妨げる事になる。
こんなのも土で塞いでるだけなので、一回ガスガスッと外す。
また、粘土、砂、ワラスサを混ぜて練ったもので塞ぐ。 こんな修理はほんとに一瞬で終わる。
これで、この日からまた快適にゴーゴーとよく燃える風呂焚きが復活した。 復活というより、更によくなった。
燃焼室が広くなり、長い薪が入る事になった事で、一度に入る薪の量も増えた。 野遊によると、最初に焚きつけたら、その時に角材を何本か入れただけで、十分沸くとか。 追い焚きが要らなくなったのだ!!
風呂焚きは子どもたちに任せてある。 やっぱり子どもなので、たまに追い焚きを忘れる事もある。 ご飯を食べ終わる頃になって、「今日は誰が焚いたんやー?追い焚き出来とんかー?」とか大人が言う。 でも既に、熾き火が弱ってて、また火を点け直しという事もたまにあった。
これは薪の風呂に毎日入る家族としては嬉しい改良になった。 特に風呂焚きを任される子どもたちのストレスがなくなるやろねー。
快適に薪の風呂焚きなり、一日三食の薪調理が出来なくては、廃材利用の自給自足のハードルが上がるのだ。
うちぐらい快適なシステムを完成させると、全く苦にならない。
いや完成はない。 今回のような改良を重ねてゆく事で、更に更に便利で快適な薪生活を加速させられるのだ!!!
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