【くぼさんのとうふ】社長直伝「出汁の引き方」

どうも! 廃材天国の陣です。

今回は「出汁」がテーマです! 前回の「豆腐の作り方」の続編になります。 実際には、一日でのワークショップでしたが、あまりにも長くなったので、2つの記事に分けました。

Contents

  1. 1 出汁を引くとは

  2. 2 調味料(アミノ酸)

  3. 3 舐めてみる実験

  4. 4 色んな出汁を比べてみる

出汁を引くとは

「出汁を引く」というのは和食の基本中の基本であり、 また「引く」という独特の表現からくる価値観があります。

鶏ガラや野菜から取るスープはグツグツと一日中煮込んで取るのに対し、 出汁は既に昆布、鰹節、煮干し、干し椎茸、という乾物に凝縮されているエキスをサッと煮出すというイメージですね。

鶏ガラや豚骨から取るスープが生の材料を煮込むのに対して、 乾物を使うのが特徴です。

昆布で収穫して干して熟成して1年以上。 鰹節は何度もカビ付けという工程を繰り返し、半年以上、 煮干しと椎茸も乾燥させる工程で、旨味だけでなく、ビタミンやミネラルなどが増幅しています。

昆布にはアミノ酸の一つ、グルタミン酸、 鰹節と煮干しには、核酸の一つ、イノシン酸、 干し椎茸は、核酸の中のグアニル酸、 と、異なる成分をそれぞれ組み合わせる事で、旨味の相乗効果が生まれます。 特に和食の世界では、昆布メインで、鰹節や干し椎茸を少しという具合です。

調味料(アミノ酸)

今まで説明してきた天然の出汁の成分を人工的に作り出したのが、化学調味料です。 食品の「原材料」の欄に、「調味料(アミノ酸)」と記されているのがコレです。 代表的なのがAJINOMOTO社の「味の素」ですね。 AJINOMOTO社によると、 「原材料はサトウキビなどの天然のもので、味噌や醤油のように発酵させて作っています。」 「国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)が、 グルタミン酸ナトリウムの安全性を評価し、『グルタミン酸ナトリウムがヒトの健康を害することはないので、 一日の許容摂取量を特定しない』、と言ってます。」

とは言っても、その後の製造工程には大量の化学物質が使われるようです。 それすらも、「国が認めた人体に無害な製法です。」という事らしいです。

それでもですよ。 そもそも、さとうきびの糖蜜を発酵させたものが出汁として美味しいものではありません。 その発酵過程で出来たグルタミン酸を化学的に結晶として分離して、グルタミン酸ナトリウムに生成します。 さらに精製して純度を高めたものが、製品として完成するのです。

この人工的な「旨味」とやらが、昆布や鰹節の旨味と似て非なるものになるのは明白です。 実際に普段天然の出汁で手作りの生活をしているうちの家族がうどん屋やなどに行くと、 みんな口々に「上あごがザラザラになった~!」 と独特の後味の悪さに悲鳴を上げるんです。 最も、香川の安いうどん屋に天然の出汁を求めるのがナンセンスというものですがね。

舐めてみる実験

このグルタミン酸ナトリウム(アミノ酸調味料)の実験です。 A、B共に5%の食塩水に、Bにだけ「味の素」を5振り(0.5g)入れます。

言わずもがなですが、Aでさえ5%の塩水なので、 「辛い!」 しかーし、不思議な事に、Bの方が塩辛さがマイルドに感じるんです。 味の素1gには0.1gのナトリウム分が含まれますから、更にナトリウム過多になって当然です。

塩辛さがマイルドに感じるだけでなく、やはりあの独特のベトッとした後味の悪さが残ります。 うどん屋の出汁やラーメン屋の出汁を飲み干すと喉が乾いて水をガブ飲みしたくなるのは当然です。

色んな出汁を比べてみる

これは久保さんが、前もって水出ししてくれていた出汁です。 昆布は大阪の「こんぶ土井」という老舗昆布専門店のものです。 煮干し(瀬戸内では「いりこ」と呼ぶ)は香川の伊吹島の中羽のものです。

これは茅乃舎という高級路線で、よく売れていると言われるもの。

確かに「化学調味料無添加」を謳っているだけあって、 「調味料(アミノ酸等)」というよくある表示はありません。 しかし、「酵母エキス」というものが入っていますね。 これは、厚労省の決まりで「食品」扱いになり、「添加物」ではないとの事です。

これまた味の素と似たようなもので、ビール酵母から培養して、 化学的に濃縮と精製した、天然のものとはかけ離れたものなのです。

調味料(アミノ酸等) ↓ 蛋白加水分解物 ↓ 酵母エキス

時代の流れ的にこんな感じですかね。

久保さんの水出しの出汁からいりこだけを取り出します。 これは後で、掻き揚げにするので、煮出さずに取っておきます。

昆布だけを火にかけて沸騰直前まで煮出します。

ここで鰹の本枯れ節を削ります。

美しい鰹節が出来てきました。

昆布を取り出した後、火を止めて鰹節を入れます。

いりこをブツ切りにして、新玉、人参、ミツバを加えます。 塩少々と、米粉、豆乳で適当な固さに調整します。

これを純正菜種油で上げていきます。 「純正」とは圧搾製法で絞られた油の事です。 一般的なサラダ油などは溶剤抽出法といい、ノルマルヘキサンと言う溶剤で溶かして抽出する製法です。 農水省によりますと、油本体には混ざらないので安全とか、、、。 その後の、脱臭工程で250℃の高温に晒し、トランス脂肪酸が生成させるも、これも国は問題ないと言っています。

過去に遡ると、 森永ヒ素ミルク事件 緑十字血液製剤HIV感染事件 福島原発事故 どれも、国が安全の太鼓判を押して容認していたものばかりです、、、。

今となっては、脱環境活動という意識の僕ですが、 「小難しいイラン事せんでええやん。」 「食べるもんに化学的な製法は気持ち悪い。」 という感覚ですので、未だに毎日天然の出汁、純正の調味料や油を使っています。

何より正直なのは子ども達です。 今、17歳、15歳、11歳ですが、小さい頃から手作りが当たり前の生活です。 確かに、小学生ぐらいの頃には、ファストフードやファミレス、市販のお菓子などにも憧れていました。 もちろん何度かは好奇心で口にしましたが、今は進んで食べようとはしません。 うどんも野遊が麺を打って、土歩が出汁を取るという自然な役割分担になっています。

カラッと揚がりました。 米粉で揚げ物すると、腕が上がったんかなと思いますよ!

紅芯大根、人参、菊芋のヌカ漬けです。 あっこちゃんは最近ヌカ床を冷蔵庫で管理するようになってから、失敗がなくなったと言います。

5分搗きのお米に黒米を混ぜたご飯のオムスビです。

一汁一菜のお昼ご飯の完成です。

紙コップは天然の出汁と、「酵母エキス」入りの茅乃舎の出汁を入れて、ブラインドで飲み比べてみました。 やはり久保さんの話を聞いて、その場で両方を飲み比べると誰でも分かりますよ!

天然出汁は何しろスーッと入って来て、後味がスッキリ。 酵母エキス入りの方は、最初は「旨っ!」という強烈な刺激の後にベトッとした舌にまとわりつく嫌味が残ります。

そりゃあ相当な人数と経費をかけて開発した味の素なり、酵母エキスです。 それを利用する大手食品メーカーも研究と開発に余念がありません。 人間の舌なり、脳に「美味しいような」信号を送る事は出来るでしょう。

しかし、こうして並べて比べると、 「ベツモンやん!」 という事ですね。

完成した出汁での味噌汁と掻き揚げ、オムスビと漬物で 「いただきま〜す!」

天然出汁とうちの手作りの味噌のコラボ最高!!

もちろん、こんな食事が少数派のマニアという自覚はあります。 社会的にこんな食生活が広まってマジョリティになる筈はないとも思います。 それでいいんです。

客観的善悪ではなく、自分の主観である価値観で選択する事が最も大事だと思います。

大手の食品メーカーやコンビニが安くて急ぐお客のニーズを満たしているのは事実です。 それを納得して利用する人はいますし、責めたり指摘するのはオカシイと思います。

ただ、「本人が納得して選択した結果である」事が一番大事です。 これだけ生活スタイル、価値観の多様化、細分化の進んだ時代です。


どういう仕事をしてどのぐらい稼ぐのか? それで何に使うんだ? 金よりも何に時間を使うのかが更に重要だぞ! どういう家に住み、エネルギーも食も教育も全て自分自身で選べ! ネチネチ悩むよりも、直感的に動きながらだと自然に決まってくるんだ!!!

#料理教室